『阪神タイガースと怖い話』

支援学校を10日間通い、登校拒否。その後15年間引きこもられたAさん。

初めての出会いは、体を斜めに向けて目を合わせず、挨拶もしてくれず、返事もしてくれず・・・。
でも何かを感じられたのか、翌日から通所してくださった、アミュー初めてのメンバーさん。

Aさんは買いものに行ったことがなく、電車に乗ったことがなく
自分から話してくれませんでした。

話せないのかなと思っていたとき、タイガースが勝った負けたの話を私がしていると表情が変わる。
おっそれから毎日会話はタイガースの話。

そして、夏になり、怖いテレビ番組の話をするとAさんの顔がにやり。
おっタイガースや怖い話は積極的に自分から話されるようになりました。

作業の方は軽作業の箱折り作業。少し破れたり折りが浅いこともありましたが、集中し、持続力もすばらしかったのでAさんに伝えました。
Aさんはうれしく思ってくださり、それから毎日毎日集中して作業に取り組まれました。

入ってきたメンバーさんがAさんのスピードに追い付こうと必死に訓練されます。

自分から挨拶したり、コミュニケーションをとったり、作業の段取りを組むことは苦手でしたが
休むことなく毎日通所されました。

そして初めての職場実習。一般企業での体験実習では初日顔面蒼白。

緊張で吐き気がでもその壁も乗り越えてくださり、持ち前の集中力で
とても厳しかった企業の職員さんが「必要な人材だ」とAさんに話されました。

最初は障がい者の方にできることはないと考えられていた企業の職員さん
Aさんのおかげでアミュー応援団に変わってくださりました。

その後、その企業に就職されたAさん。
3か月までに何度か辞めたいと話されていましたが、その度に話し合いました。

会社に訪問し、Aさんの話したいこと、会社からのお願いを伝え合い
今でも企業に必要な人材として社会に貢献されています。

アミューOBでおこなっている面談やグループワークでも反省するところや目標など、自分の言葉でしっかり伝えてくださっています。

「就職して良かった」と話されるAさん。
就職し、2年たった今もアミューで見せてくれる笑顔に元気をいただきます。